悪魔は夜に笑う
その笑顔はやめてほしい。特にベッドの上でしか見かけない笑顔だから、酔ってもない私には刺激が強すぎる。


「心配かけさせてるつもりはないけど、不安になるほど俺のこと好き?」

「なんで笑ってるん」

「ごめんね、やっぱりあゆなさんいじめるの楽しい。不安がってるその顔……なんて言うかこう、グッとくる」


おっと、こんな早い時間に本性を表すのは珍しい。
不安がってる私の顔が性癖だって?まったくろくでもない奴だ。
私は中心に顔を寄せるように顔をしわくちゃにして、さらに眉を下げて蒼士郎くんを見つめた。


「なにその顔」

「チャウチャウの真似」

「は?……ふふっ」


気分を変えさせようとしたら思いのほかツボに入った。
肩を震わせて静かに笑っている。
しかし数秒後、我慢の限界を迎えて高らかに声を上げて笑っていた。

ちょうどその時帰ってきたマスターが、蒼士郎くんの魔王のような笑い声にびっくりしていたのは言うまでもない。
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