悪魔は夜に笑う
第12話
夏が恋しいとさえ思うようになった12月、蒼士郎くんからドライブデートに誘われた。
寒いところに行くからしっかり防寒してきてって言われたけど、どこまで行くつもりだろう。

なんらかの障害に阻まれて関係が長続きしないかも、という懸念は最近は薄れてきた。
順調に息の合う漫才コンビに……間違えた。気の置けない友人のような良い関係のカップルになりつつあると思う。

すると蒼士郎くんの車が停まった。出発してから約2時間後のことだった。
「着いたよ」と言われたので外に出てみる。
湖の近くを併設された駐車場らしく、冬の夜なのに何台か車が停まっていた。
見渡すと駐車場の奥にある歩道スペースに人の姿が確認できて、みんな空を見上げていた。


「晴れてよかった」


蒼士郎くんが天を仰いで笑ったから、気になって私も視線を上に向ける。
そこには雲ひとつない満点の星空が広がっていた。


「綺麗な星空……あ、流れ星!」


見入っていると、空に一筋の光が流れる。
こんなにはっきりと大きな流れ星を見たのは初めてだ。童心に帰るような気分で空を指さす。

しかし蒼士郎くんは駐車場の奥を目指して歩いていく。


「ねえ見た蒼士郎くん」

「そうだよ。今夜はふたご座流星群が最もよく見える日だから」


追いかけて話かけると、蒼士郎くんは柵にもたれかかりながら仰ぎ見る。
その横顔が無邪気で、いつまでも見つめていたいと愛おしく思った。
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