悪魔は夜に笑う
「流れ星って不規則だから見てて飽きない」


呟く口元から白い息が零れて、幻想的で美しい。
ネタに走って空気をぶち壊した男とは思えない。


「私はそもそも流星群が初めて。天体観測自体、小学生以来かも」

「俺も小さい時家族で見に行ったきりかな」


しかし蒼士郎くんが醸し出すその雰囲気に流されて、笑いに持っていこうとする私の関西魂はフェードアウト。
純粋に天体観測を楽しむかと思ったのに疑問が生じた。

あれ、大人になって流星群見に来たことないんだ。
何度か来たことあるから私をここに連れてきたのかと思った。
勝手な想像で蒼士郎くんは流れ星なんて興味なさそうだと思ってた。
いかにも“チリが燃えてるだけだろ”とか言いそうなのに。

黒田蒼士郎という男は、知れば知るほど意外性の富んだ男だ。
美人は三日で飽きると言うが、クセが強くて飽きる気が一向にない。

この感情はお互い様だったらいいなと最近思う。


「流星群の時期なんてよく知ってたね。星に詳しい人が知り合いにいるとか?」

「よかった。ここに連れてきた予想が的外れで」


他愛のない話をしながら空を見上げていたけど、的外れと言われて視線を蒼士郎くんの顔に戻した。
< 176 / 181 >

この作品をシェア

pagetop