悪魔は夜に笑う
「その言い方だと他に連れてきた目的がある感じ?」

「その顔、本当に微塵も予想してないね」

「なに?まだネタ用意してるの?」


他に目的があるらしいけどもったいぶって教えてくれない。
ニヤニヤしちゃって、どうせ新たな小道具の提供でしょ。次はもっとおもしろくモノボケしてやるからドンと来い。


「違うけど、せっかくならロマンチックな夜がいいから」


そう言うと蒼士郎くんは着ていたダウンのポケットから何か取り出した。
ほれ見ろ、やっぱり何か隠し持ってた。

それを胸のあたりまで持ち上げて、小さな箱を大事そうに両手で持っている。
なんだこれは。正方形の、箱?
すると目の前で形状が変わった。中心を軸に縦に開いて、中に金属製の何かが光っている。

街灯に照らされるその物体。
輝く光が指輪にはめ込まれたダイヤモンドだと、理解するのに数十秒有した。
脳が処理するまでに幾多の流れ星が頭上を通り過ぎて行った。


「な、なにこれ……」

「なんだと思う?」


ようやく口から出た質問を質問で返すな。そう思っても何も言葉に出来ない。
蒼士郎くんから説明してくれないと私はこのまま勘違いするぞ、いいのか。
“これってもしや、プロポーズ?”って。
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