悪魔は夜に笑う
序盤のチャウチャウブランケットに完全に気を取られていた。
嘘でしょ、ふざけたプレゼントの後にプロポーズ?
ていうか、実際サプライズされるとこんなに困惑して頭真っ白になるもんなの!?


「あゆなさん困っちゃった」


これはなんだと必死に目で訴えても蒼士郎くんは答えてくれない。
この期に及んで悪魔スタイルを貫く気だ。


「なんでニヤニヤしてんの」

「俺、好きな子は困らせたいタイプ」

「小学生か!」

「で、それを受け入れてくれる人が好き」

「そういうのわがままって言うんだよ」



王道のプロポーズらしい指輪パカを前にして繰り広げる会話ではないと自分でも思う。
でも、蒼士郎くんが肝心な言葉を言ってくれないんですけど!

段々、この指輪オモチャじゃないかなと思うようになってきた。
蒼士郎くんに限ってそんなデリカシーのないドッキリはしないはずだけど。


「あれ?あゆなさんにはわがままでいてって言ったけど、もしかして俺の方がわがまま?」

「そーだよ困っちゃうよ」

「自然体でいられるってことだから許して」


薄笑いだった表情がやがて、たおやかな笑みに変わっていく。
私の一番好きな特別な笑顔。
見とれていると蒼士郎くんが動きを見せた。

なんとあの蒼士郎くんが、私の目の前で片足を立てて跪いたのだ。
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