悪魔は夜に笑う
「どうぞ、アレキサンダーです」


女の子たちを横目にぼーっとしていたら蒼士郎くんが一杯目のグラスとお通しのミックスナッツを目の前に置いた。
アレキサンダーか、いいね。ブランデーとカカオと生クリームだっけ。
疲れてる時って無性にチョコ食べたくなるから今の私にぴったり。


「蒼士郎くんにアレキサンダー作ってもらったの初めてかも」

「あゆなさんはロックで、とか強い酒で、が口癖じゃないですか」


さすがだなと感心して飲んだのにおちょくるような口ぶり。


「失礼します」


生意気だぞと一言申し立てしようとしたところ、少し離れたところにいたマスターが私の目の前に来て新しいカクテルを置いた。
あれ、私何も頼んでないしまだグラスの中身残ってるんだけど。


「あちらのお客様からです」


するとマスターは自身の手を右側に向けた。
その方向には、ひとつ飛ばして向こうの席に男性が。
20代後半から30代ってところかな。

って、“あちらのお客様からです”!?
そのセリフ、漫画やドラマ以外で初めて聞いたんですけど!
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