悪魔は夜に笑う
「蒼士郎くんは男女の関係求めてるんでしょ。北島さんは違うから」

「なんで違うって言い切れんの?2軒目誘われてたじゃん、あいつヤる気だったじゃん」

「そんなことない。蒼士郎くんより北島さんの方が全然まともそう!」


蒼士郎くんはぎょっとした顔をして、その後長いため息をついた。
そして自身の髪をぐしゃっと掴むと、なんだか苦しそうな顔をして目を泳がせた。


「あゆなさんのこと思って言うけど、あいつ既婚者だからやめとけよ」


今日の蒼士郎くん表情豊かだな、なんて呑気に考えていたら耳を疑う発言が。
もしかしたらと期待して舞い上がった心はすぐ撃ち落とされた。


「……なんで、蒼士郎くんが知ってるの」


冷静に聞き返したつもりが少し声が震えている。


「あいつ北島って言ったでしょ。高校の友達の兄貴。
嫁さん妊娠中で今里帰りだから好き勝手やってんだよ。ヤれそうな女に片っ端から声かけてんの」


そう言うとスマホを取り出して操作する。
そしてとある画面を私に見せて、スマホごと渡してきた。


「ほら、アイツのアカウント」


そこに映るのはSNSのプロフィール画面。
タレ目で泣きぼくろな二枚目。確かにそれは北島さんだった。
スクロールすればするほど奥さんと思わしき女性とのラブラブツーショットがずらり。極めつけに結婚式の写真まで投稿していた。

あいつ、自分のこと独身って言ったのに。
黒じゃん、真っ黒じゃん!


「マジじゃん……出禁にしてよあんなヤツ〜!」


真相を知った私は悔しくて大きな声を出した。
蒼士郎くんはそんな私を見てなぜかニヤッと笑った。
取り乱す私の顔がおかしいとでも?
やっぱり彼は人の皮を被った悪魔かもしれない。
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