悪魔は夜に笑う
「お悩み相談は俺の専門外なので」

「そのお悩み相談の達人、マスターがなんで不在なのよ。早く帰ってきて」

「残念ながら明日まで帰ってきません。ではくれぐれもお静かに」


今日も軽くあしらわれ、カウンターから出てきてテーブル席に座る客へ注文の品を届けに行く。

静かにって言うけど大きな声にならないように十分配慮してるし、ラストオーダー30分前で客は私以外は2組しかいない。
平日だからね。私は明日有給取ってるから未明まで飲み明かしてるわけだけど。

決して傷心で有給取得したわけじゃない。
その証拠は今日は通常通り出勤したし。

あのマチアプの男と日帰り旅行を計画しており、1か月前に申請したものだ。
思い出すと悔しくて強い酒で我を忘れたい気分になる。
ひとまずさっき注文したロックのウイスキーを喉奥に流し込んだ。
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