悪魔は夜に笑う
「やめて欲しい?」


ソファから離れようとしたら腕を掴まれた。


「当たり前やろ。人知れず晒されて気分悪いわ」

「じゃあ連絡先教えたら消してあげる」


関西弁でイラついていることを示すと条件を提示された。
そこまでして私の連絡先が欲しいのか。
もういいや、折れてやるか。

観念した私は連絡先を蒼士郎くんに教えた。
私のアカウントを見つめる蒼士郎くんは、今度は満足そうに微笑んで上目遣いで私を見つめた。


「ありがとう」


なにその乙女のようなはにかみ。
やっとありつけたみたいな反応しないでよ。
勘違いするぞ私はチョロいんだから。


「送り状から住所知ったんでしょ。電話番号から検索すればよかったのに」

「そんなことしたらあゆなさんに嫌われそうで嫌だった」


冷静になれと自分に言い聞かせた直後、予想外の豪速球が私の胸に直撃した。
嫌われたくないって何。まるで私のこと特別に想ってるみたいじゃん。

やめて蒼士郎くん、私お金ないよ。
私に色恋したって意味ないんだよ!


「……コーヒー飲む?」


一旦冷静に努めるため、蒼士郎くんから離れることに。


「うん」

「アイスとホットどっちがいい?」

「アイスで」


一緒に立ち上がってキッチンに着いてくる。
なんで後追いしてくるの1人にさせて!
蒼士郎くんってくっつかれるの煙たがりそうなのに、ずっとべったりなんですけど。
< 33 / 181 >

この作品をシェア

pagetop