悪魔は夜に笑う
ちょっと待って、蒼士郎くん本当に私のこと好きなの!?
よりどりみどりなのになんで私?あんな衝撃の寝顔見て好きって感情浮かぶの凄くない!?

目が合うとぶわっと感情が溢れ出して軽くパニックに。


「あゆなさん、俺じゃだめ?」

「だから、成り行きから始まった恋愛はナシだから!なに?セフレ難民なの!?他を当たりな!」

「セフレはいらない。あゆなさんが欲しい」


蒼士郎くんの口から信じられない発言が次々と飛び出る。
直球ストレートなアプローチに戸惑ってコーヒーフィルターがうまく剥がれてくれない。


「あわわ……」


人間って本当に慌てたらこんな間抜けな声が口から出てくるんだ。
コーヒー粉をフィルターに注ぐ手も震え出した。


「零れるよ。俺がする」


こうなった元凶が冷静なのムカつく。
あんたのせいでこうなってるんですけど?

蒼士郎くんは私の手からコーヒー粉を受け取ると、零さず丁寧に入れて、それからサーバーにセットした。
そしてお湯が湧いたポットを手に取り、静かにお湯を注いでいく。
やっぱ指先綺麗だから絵になる、なんて感心している場合では無い。

私の情緒をどうにかしてくれ。蒼士郎くんのせいでめちゃくちゃだ。
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