悪魔は夜に笑う
蒼士郎くんはすぐにタクシーに戻ってきて、今度は私の住所を滞ることなく運転手に伝えた。

住所暗記してるんですけど。まだ私の家に2回しか来たことないはずなんですけど?


「なに?」

「あ、そういえば明日どこに行くの?」

驚いて目を見開いたら蒼士郎くんがこっちを向いたから、この表情の意味を訊かれたくなくて質問した。


「マスターの知り合いがカフェを開業するって。プレオープンに招待されたから明日それに行く」

「へー、どういうコンセプトのカフェ?」

「なんか、とにかく女子が好きそうな雰囲気のカフェ。マスターは明後日娘さんと行くって」


なるほど、蒼士郎くん誘われたはいいけど、女性同伴じゃないと入りづらいから私を誘ったのかな。


「あゆなさんにはきっと喜んでもらえると思って」


そういうと蒼士郎くんは私の肩に頭を預けた。
電池が切れたように静かになった。仕事終わりだもんね、そっとしといてやるか。
疲れてるのか、それ以降は目的地に着くまでずっと目を瞑っていた。
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