悪魔は夜に笑う
「内装もかっこいいね。この車いつ買ったの?」

「去年新車で買った」

「新車!道理で新車の匂いがすると思った」

「1年経ったけど残ってる?」

「うん、新品の匂いってわくわくするよね」


実際新車の匂いがどうか分からないけど、とにかくポジディブな話題に持っていきたい。
大丈夫私は関西文化で育った女。おもろい話は常にストックしてあるから自分のターンに変えよう。


「そうださっきの話。あの駐車場いわく付きって言ったじゃん」

「なんでその話題引っ張ってくるのー!」


しかし、蒼士郎くんはお構いなしに再度駐車場の話を始めた。
もうやめて。いわく付きって言ってる時点で怖い話なの確定じゃん。


「半年前かな。この車盗難されかけたんだけど、たまたま巡回してた警察に見つかって犯人たち現行犯逮捕されてさ」

「えっ、盗難!?」


怪談だと身構えていたら現実的な怖い話だった。
ニュースでも最近見たかも。リレーアタック形式って手段で盗難されるケースが増えてると。
でも、盗難されかけたにしては蒼士郎くんあんまり対策してないような。
盗難防止のハンドルロックなんかも付けてないし。


「当時は防犯カメラも何も無かったから盗みやすそうに見えたんだろうね。その事件があってから大家さんが防犯カメラのダミーをいくつか取り付けてくれたけど」

「ダミーじゃ心許なくない?」

「どうだろうね」

防犯カメラのダミーくらいで安心できる?
私なら不安でいくつか対策考えそう。
しかし蒼士郎くんは謎の不敵な笑みを浮かべた。
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