悪魔は夜に笑う
しばらくすると注文の品がテーブルに届いた。
酷暑の中、冷房の効いた室内でキンキンに冷えたビールを流し込む。
これだけで生きててよかったって思える私は単純なのだろう。
食事もおいしくてお腹も膨れて大満足。さすが蒼士郎くんが選んだお店。


「連れてきてくれてありがとう。私、今最高に幸せ」

「よかったね。下っ腹も大きく育ってるみたいでなにより」

「ちょっと、乙女の食後のお腹の話題はNGよ!」

「じゃあ指摘されないように今後もピラティス頑張って」


やいやい言いながら会計を済ませ、外に出ると灼熱の太陽に焼かれる。
すぐ折りたたみ傘を開いて駐車場に向かうと、後ろから腕を掴まれた。


「あゆなさん、せっかくだし海行ってみない?」


むせ返るくらいの暑さに、本音は今すぐ涼しい場所に行きたい。
だけど蒼士郎くんが行きたいなら付き合ってあげるか。

駐車場から海岸へ降りる階段があり、その先には砂浜が広がっていた。
すぐ近くが海水浴場だったらしく、少し離れたところから子どもたちの楽しそうな声がする。

波の音を間近にすると夏らしさを強く感じて気分が上がってきた。
私はサンダルを脱いで波打ち際に歩みを進めた。
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