悪魔は夜に笑う
「いずれも皆さん、やれ運命の人と出会ったやら、幼なじみと再会したやら、そう言った理由で疎遠になりました……」

「全員ってすご」

「ひどいよね。みんな私を放って幸せになるの!」


さっきはナイーブになってたけど、考えれば私が悪いわけじゃなくない?
どいつもこいつも運命なんかに唆されて私をフッてさ。

というか私、こんなにたくさんキューピットの役目を果たしてるんだから徳を積んでるはず。そろそろ幸せになってもいいでしょ。


「ごめんちょっと感情的になった。蒼士郎くんは?」

「別にいつものことだからいいけど……俺は2年かな」


募らせた怒りが爆発しそうになったけどなんとかこらえて会話の主導を蒼士郎くんに渡した。
余計なこと言われた気がしたけど、2年も付き合ってた子いたんだって感情のシフトが驚きに変わった。
蒼士郎くん相手にすごいな。


「ん?それって最近別れた子じゃない?フラれたってあの時割とへこんでたよね」


しかし思い返すとそれって半年前くらい前に聞いた話のような。
あの時の蒼士郎くんは珍しく覇気がないから“女の子にフラれた?”ってからかったら図星でびっくりしたんだよね。


「あん時私の気持ちが分かったか、ってあゆなさんが高笑いしてたよね。マジでムカついた」

「そう、それから3日後に私もフラれて今度は蒼士郎くんに笑われたの」


いつもバカにしてくる蒼士郎くんがへこんでるからこれ見よがしに茶化したらその後天誅が下った。
あの時もひどいフラれ方したな……。


「なんで別れちゃったの?」


過去を思い起こすのはやめよう。蒼士郎くんの話に集中するか。
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