悪魔は夜に笑う
「……やだ」

「しおらしくてかわいい。ほんとにあゆなさん?」

「うるさい」


かわいいなんて薄っぺらい褒め言葉。
だけど蒼士郎くんの口から初めて聞いたから一瞬体の力が抜けた。

その拍子に腕を掴んで問答無用でシャワールームに連れて行かされた。
こっちの意見はお構い無しに一緒に入る気で脱がせてくるし。


「早くおいで」

「先に入ってて」

「嫌になった?帰る?」


恥ずかしくてモジモジしていたら帰るかと問われた。
だけど帰る気はないから小さく首を横に振った。
すると蒼士郎くんは見る見る笑顔になって私の手を引く。


「やっぱり今日のあゆなさん素直でかわいいね」


蒼士郎くんってこんなに表情豊かだった?
ああだめだ。一挙手一投足が愛おしいと思えてしまう。
もう全部酔いのせいにして、今日は流されてしまおう。私は考えることを放棄した。

それでもやっぱり明るいところで裸になるのは恥ずかしくて。
正直セックスするより風呂で密着する方が私としてはハードルが高い。
蒼士郎くんが頭を洗ってる間に、さっと体だけ洗ってシャワールームから出た。
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