悪魔は夜に笑う
帰り道は行きよりあっという間に感じた。つまりお別れを惜しんでいるということだ。
まだ蒼士郎くんと一緒にいたいと思うようになるなんて。
かなり気を許している自分に驚いた。

駐車場に車を止めた蒼士郎くんは、エンジンを切ってもハンドルを握ったまま前を見つめている。
急に一点を見つめたまま動かなくなると怖いんですけど!?
なに?なんか視えてる!?


「愛結那さん、まだ一緒にいたいんだけど」


恐怖でドキドキしていたら、ようやく蒼士郎くんの目線がこっちに向いた。
なんだよかった。蒼士郎くんと別れを惜しんでいただけか。

って、あの蒼士郎くんが延長をご希望!?


「俺の家で休憩していくか、あわよくばあゆなさんの家泊まりたい」


人のこと暑苦しいとか言っておいて自分は超甘えたがりじゃないか。
ここで断ってまた会いたいと思わせるのが恋愛テクニックなんだろうけど、勝手に口角が上がってしまった。


「奇遇だね、私も蒼士郎くんの怪談のせいで今日ひとりで過ごしたくない」

「そっち?」

「一緒にいてくれるならどっちでもいいでしょ」

「うん。あゆなさん優しいね」


でも蒼士郎くんも釣られて笑ってるし、こっちの対応が正解な気がする。
結局長く居たいからと、私の家に泊まってもらうことになった。
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