悪魔は夜に笑う
一緒にお風呂に入るのはこれで2回目。でも逃げ出すようにささっと体だけ洗って退室したから蒼士郎くんは物足りなかったらしい。
蒼士郎くんは私をバスチェアに座らせて、鼻歌まじりにシャンプーを手に取る。
髪を洗ってくれるらしい。

機嫌がいいと鼻歌まじりになることは最近分かった。
ちょっと前までは感情の浮き沈みすらよく分からないと思ってたのに。


「俺、あゆなさんの髪洗ってみたかった」

「なんで?」

「ふわふわしてよく泡立ちそうだから」


それにしても蒼士郎くん、興味の観点が人と違うような。
そもそもシャンプーの泡立ちにパーマは関係ない。
まあ、楽しそうだから好きにさせてあげるけど。

蒼士郎くんは楽しそうに泡立てながらシャンプーをした後、ご丁寧にトリートメントまでしてくれた。
風呂ですぐおっぱじめると思って身構えてた私がなんだか恥ずかしい。
でもさっき大っきくなってたような。あれは気のせいじゃないよね?

そうか、蒼士郎くんもさすがに酒が回ってきたから思考がとっ散らかってるんだ。
今は興味が私のヘアケアに向いてるのかも。


「トリートメントした後、髪ってどうしてる?」

「先にタオルで拭いてからざっくりクリップでまとめてる」


その後の対応までしようとしてくれたからさすがに自分で髪をまとめることにした。
立ち上がって一旦風呂のドアを開け、すぐ近くに置いてあるフェイスタオルを取る。
ヘアクリップはあらかじめ浴室に置いてあるから、ある程度拭いた後大きめのヘアクリップでまとめた。
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