悪魔は夜に笑う
しかし、私のご利益ってそんなにすごいのか。
このバーでカップル成立してるのは知らなかった。
やっぱり今からでも結婚相談所のカウンセラーになるべきか。

そんなことを考えながら赤嶺くんと話しているとあっという間にラストオーダーの時間になってしまった。
最近遅くまでお邪魔してるから今日は早く帰ろう。


「あゆなさんもう帰るの?」

「もうってラストオーダーの時間過ぎてるよ」

「今日あんまりあゆなさんと話せなかったからちょっと話したい」


ところが蒼士郎の魔の手が迫り帰れそうになくなった。
なんだか今日はしおらしい。かわいく思えて断ることができなかった。

赤嶺くんはバックヤードで作業しているらしい。
あの人独り言も多いから声が聞こえないってことはゴミ出しでもしてるんだろうか。


「今日はあの後は裏に引きこもってたもんね」


そういえばと思い出し蒼士郎くんに話しかけた。
あの後、とは連絡先を交換したその後だ。

めんどくさがりな蒼士郎くんはあの女の子とはほとんど会話を交わすことなくバックヤードに行ってしまった。
しかもあの子が帰るまでずっと裏に引きこもってた。


「よかったねいい出会いあって。あの子かわいかったし」


キューピットイチオシのかわいい子だったのに雑な対応するなんてもったいない。
何気なくよかったね、なんて言うと蒼士郎くんはショックを受けたように目を見開き、そして大きくため息をついた。


「あゆなさんって本当に人を見る目ないね」
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