食事のたびに目が合うイケメン営業課長は、どうやら食べることが好きらしい(?)
 加瀬くんが立ち去ったあと、微妙な空気になってしまったことを謝っているのだろうか。
 だとしたら、それは別に彼のせいではない。とんでもない爆弾を落とした加瀬くんと、それに対してうまく答えられなかった私に責任がある。
 だから大丈夫だと言おうとしたけれど、そっちのことではないと言葉を被せられた。

「食べる姿を見るのが好き、って言ったことのほう」
「あー……。まぁ、最初は視線を感じてびっくりはしましたけど……」

 今ではもう慣れてしまった。
 そりゃあ、大口を開けているところを見られるのは恥ずかしいし、今だって照れはある。
 だけど、私を見つめるときの彼の目があまりにも柔らかいから、最近ではその視線を心地よく思っている自分がいた。
 
「ただ、どうしても君がおいしそうに食べているところを見るのが好きで。というか、おいしそうにご飯を食べる人が好きで……」
「えっと……そういうフェチ、とか……?」

 薄々、そんな気はしていたけれど、言われると納得する。
 誰にだってキュンとする仕草や言葉、体の部位はあるものだ。私にだって、そういう瞬間はあるし、引くほどのことではない。

 ……と思っていたけれど、そのあとに続いた彼の言葉はそれだけで片付けていいようなものではなかった。

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