食事のたびに目が合うイケメン営業課長は、どうやら食べることが好きらしい(?)
 てっきり、食べてるときの顔がおかしいのだと思っていた。
 おいしいものを前にすると、つい大口を開けて食べてしまうし。あと、ときどき「おいしい……」って感想が口から零れてしまうことがあるし。

 そんな私の奇行を見ていたのかと思っていたけれど、そういうわけではないらしい。
 だけど、見られているのはやっぱり恥ずかしいもので。
 ここはしっかり主張しなければと自分の思いを伝えることにした。

「そうだったんですね。ただ、あまり食べているところを見られるのは好きではないと言いますか、恥ずかしいと言いますか……」
「ですよね、ごめんなさい」

 彼が申し訳なさそうに謝ってくれる。

 これで、彼からの視線もおさまるだろう。そう思っていたのだけれど。

「………っ」

 やっぱりちらちらと視線を感じる。私が食べるところ以外にも、何か気になることでもあるのだろうか?
 そう思って、トレイの上を見つめた。

「えっと、何か食べたいものがあるとか……?」

 今日、私が選んだのはランチ定食Aだ。生姜焼きにご飯、お味噌汁、キャベツのせん切りと小鉢にはきんぴらごぼうが盛られている。そして、デザートは一口サイズのわらび餅だ。
 一方の彼はもうほとんど食べ終わっているけれど、ランチ定食Bを選んだらしい。そちらは唐揚げがメインの定食だった。

 選ぶ定食が違えば副菜もデザートも違うわけで。
 何か気になるものがあったのかと思ったけれど、彼は違うと答えた。

< 4 / 18 >

この作品をシェア

pagetop