ビハインド・ザ・バック ~彼に狙われたら逃げられない~



 数日後。「丸野くんを誘ったから鷹羽くんと四人でビリヤードに行こう」と門田さんに誘われた。
 しぶしぶ鷹羽くんに伝えると、彼はしばらく考えてから、行きましょう、と言った。

 定時後に四人でファーストフード店に行くと、鷹羽くんは迷わず私の隣に座るからびっくりした。門田さんも丸野くんも驚いていた。

 店に行くまで鷹羽くんは常に私の隣をキープして、まるでガードするみたいだった。

 戸惑ったけど、嬉しい気持ちも沸いてくる。独占欲を向けられてるみたいだし、正直、丸野くんは苦手だ。大した用がなくても話しかけられて、迷惑している。

 向かったのは、おなじみとなったプールバー。
 ネオン管を模したレトロなデザインのLEDの看板が、地下への入り口に立っている。
 薄暗く狭い階段を地下に向かうのが、どうにもアングラ感があってアドレナリンが出てくる。
 照明が絞られた狭い通路を歩いていくと、カチン、ゴトン、という音が耳に届く。

「この音、何回聞いてもわくわくする」
「楽しい時間が始まる期待が高まりますね」
 伏し目がちな鷹羽くんの笑顔が、何とも言えず妖艶だ。

 受付に行くと、混んでいて一台しか空いていないと言われた。
「二対二でやらない?」
 丸野くんの提案に。
「じゃあ俺は百瀬さんと組みます」
 にこやかに即答する鷹羽くん。

「普通はじゃんけんだろ」
「俺は百瀬さんがいいんで」
 断言する鷹羽くんに、門田さんは目を丸くしている。
 鷹羽くんが丸野くんを牽制しているように見えるのは、気のせい?
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