サヨナラを言う準備は出来ていた。

「岡本さんみたいに? そういえば、笹森くん同じクラスだっけ」

「は? 誰も岡本の名前なんて出してないだろ」


不本意そうに言われて、少し反省した。
岡本さんを意識しているのは私のほうだ。


「元々私って、こういう暗い奴だったんだよ、きっと」

「だったら何で、別の高校行った奴らから矢部はどうしてるって連絡が俺んとこに頻繁に来るんだよ。お前、同中の奴からの連絡無視してんだって? それもありえねぇだろ。お前、連絡はマメにするほうだったじゃん」


無視しているわけじゃない。ただ、何て返したらいいのか考える時間が必要で、なかなかすぐに応えられないだけ。
でも確かに以前は、何も考えず、連絡があればすぐに返していた。返事に悩むことなんて何もなかった。


「それに他人に何か言われたら、前の矢部なら絶対言い返してたし」

「しっかり者だったし?」


前を向いたまま笑って返す。
いまのはちょっと嫌味っぽかったなと自分でも思っていると、笹森くんが立ち止まった。

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