サヨナラを言う準備は出来ていた。
「……え? 何言ってるの」
「サッカー部のマネージャー、随時募集中」
おどけるように言った笹森くんを睨む。
言い方がちょっと結星に似ていたのも腹が立った。
「嘘つき。募集なんてしてないでしょ。マネージャーたくさん入ったの知ってるよ」
しかもその原因は、目の前の笹森くんだ。
高身長で、近寄りがたい雰囲気はあるけどイケメンで、しかも未来のエース候補。入学式のときから笹森くんは既に女子に注目されて、騒がれていた。
おかげでサッカー部は選手二十人ちょっとに対し、マネージャーは十人に増えたとか。それを聞いて、選手にとっては至れり尽くせりになりそうだな、なんて思ってたんだから。
「皆すぐ辞めてったよ。炎天下がきついとか、仕事がきついとか、文句ばっか言って」
「あー……なるほど。それは、大変だね」
中学のときも、そういう子はいた。
陸上部にかっこいい先輩がいて、その人目当てに女子が大勢入ったけど、皆練習について行けなくて一ヶ月持たず、ほとんどが退部していった。
同じ一年生というだけで、私や他の残った子たちは居心地の悪い思いをしたっけ。