サヨナラを言う準備は出来ていた。
大変だとは思うけど、やっぱり私には関係のないことだ。
肩を竦めて歩き出すと、また笹森くんはついてくる。部活に行かなくていいのかな。


「あ。それで、この前試合やったんだよ。北高と」

「北高……」

「野村とかいてさ。今度集まろうぜって話になって」

「そうなんだ」


懐かしい名前に、一瞬意識が過去に飛びかけた。
野村くんは小学校が一緒で、結星と同じサッカー少年団に入っていた。少しぽっちゃりとしたゴールキーパーで、よくお菓子を賭けて結星とフリーキック対決をしていたのを覚えてる。


「ちょうど今週末、ほら……夏祭り、あるだろ」


慎重に、私の反応を確かめながら言葉を選んでいるような話し方だ。まったく笹森くんらしくない。
腫れ物に触るような扱いをされるのは好きじゃないけど、それよりも私を動揺させる言葉があった。

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