サヨナラを言う準備は出来ていた。
花火が散り切る前に、また新しい花火が上がる。
大人になったのは俺だけじゃなくて、那月もだった。こんなに素直に可愛いことを言えるなんて。お前も成長したんだなあ。
そうだよな、もう高校生だもんな。中身も外見も、どんどん大人になっていく。
那月は綺麗になった。もしかしたら、高校でモテてたりするんじゃないだろうか。
「結星は……何してた? 元気だった?」
遠慮がちに聞かれて、肩を竦める。
俺が元気かどうかは、どうでもいいことだ。それより、こうやって聞いてくるということは、こいつが元気じゃないからなんだろう。
「私? 私は、そうだな……まぁまぁかな。何て言うか、まだ高校生活に慣れてないのかも」
段々と花火が打ちあがる速度が上がり、夜空に咲く花が増えていく。遠くから歓声も聞こえてきた。
連続して上がる花火に負けない勢いで、那月は喋る。