サヨナラを言う準備は出来ていた。
「ごめん……ごめんね、ゆうせぇ……!」
花火の音にも消えない、那月の泣き叫ぶ声。
大事な幼なじみが目の前でこんなに泣いているのに、俺は何もしてやれない。
ごめんな、那月。
どうして俺は、死んだりしたんだろうな。
本当に、バカだよな。
パラパラと花火が散っていく。
夜景を覆い隠すような煙が、ゆっくりと風に流れていく。
「あ……もう、花火が……」
これまで打ち上げられた全ての花火が、一斉に夜空に咲いた。
今夜初めて花火を見上げた那月の顔が、悲痛そうに歪む。
祭りの夜が終わる。
「結星、お願い……消えないで」