サヨナラを言う準備は出来ていた。
去年までは練習している陸上部員の姿を見ると複雑な気持ちになっていたけど、いまはもうそんなことはない。
がんばっている紗和を、心から応援したいと思ってる。

陸上への気持ちの整理がついて、中学の頃の陸上部の仲間にも会えた。みんな私のことを心配してくれていた。
もう大丈夫。みんなにはそう言ったけど、私はまだ、結星の亡くなった事故現場には行けていない。


「平日は学校があるから無理だよ?」

「決勝は日曜だったと思う! って、あーでも、サッカー部も試合あるって言ってたっけ?」


紗和はちらりと廊下を見て言った。
彼女の視線の先には、サッカー部員たちが数名集まって何か相談している。その中には笹森くんの姿もあった。


「どうしてそこでサッカー部が出てくるの」

「だって、笹森の応援するでしょ?」


私は紗和を軽く睨むと、次の授業の準備を始めた。

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