サヨナラを言う準備は出来ていた。
「多分、なんて嘘。サッカーしに東京の大学に行くんでしょ?」
「何で知って……岡本か」
「沙和には話せて、私には話せなかった?」
「待て、そうじゃない。あいつには職員室で担任とその話をしてるとき、たまたま聞かれたんだ。仲いい部員は知ってるけど、それ以外には誰にも話してない」
慌てて言い訳する笹森くんを見ても、気持ちを抑えることができない。
どうして私はこんなにイライラしてるんだろう。
ううん、イライラじゃなくて、焦ってる。焦燥感で私の中がいっぱいになっていた。
「どっちにしろ、私には言わないで東京に行くつもりだったの?」
「いや……矢部は何そんなに怒ってるんだ?」
ガリガリと頭をかく笹森くんは、理解不能と言いたげな顔をしている。