サヨナラを言う準備は出来ていた。

那月が首にかけていたのは、俺が四年前の今日、用意していたプレゼントだった。
月と星がくっついたペンダントトップを見て、俺たちみたいじゃん、なんて乙女チックな考えで買ったやつ。

それまではずっと射的で当てたものをプレゼントしてたけど、那月が陸上部の先輩といい感じだなんて噂を聞いて、焦ってちゃんとしたプレゼントを贈ろうと思ったんだ。

でも、夏祭りの帰り道、事故にあったとき持っていたから、失くしたとばかり思ってた。
ちゃんと那月の手に渡ったんだな。
それがわかっただけで、俺はもう充分だった。

プレゼントが渡せなくて、約束が守れなくて、俺は死ぬとき神様に恨み節をぶつけたんだ。それはもうひどい言葉遣いで叫んだ。
そしたら神様が言ったんだ。うるさいし、仕方ないから会わせてやるって。
夏祭りの花火の間だけ。約束を守らせてやるって。

俺は喜んで次の年の夏祭りを待った。
死んだせいか、長いようで一瞬だった。
花火が打ちあがってベランダに俺が現れたときのあの那月の顔、最高だったな。
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