自惚れ、アディクト
「明日、早いんだよ」
こめかみに触れるだけのキスをする。
不貞腐れてたはずが一瞬にして上機嫌になった。
「(チョロい)」すっと瞳を細める俺に「仕方ないなぁ」と、彼女は上目遣いに続ける。
「愛央くん、おっきい会社で働いてて、仕事デキるひとだもんね」
「まぁね。俺、凄いから」
「優秀な愛央くんが、だ〜〜いすき」
「ありがとねー」
心のこもってない感謝を口先だけで述べた。
帰宅して、もう一度シャワーを浴びたら、午前零時を回っていた。ベッドに足を投げて就寝する。
ふと、眠りの淵に落ちながら思った。
…………美園結莉。
あの日以降、何度か連絡を交わした。
ひとつ送れば、ふたつ、みっつと几帳面な文面で返ってくる。
今日も届いたメールを読みながら、所々に窺える気遣いに「ほんとに新卒か?」と、呟いたんだっけな。
「(今までのやり取りの感じだと、真面目って印象しかねぇな。真面目すぎて変に堅物じゃなかったらいいけど…どんな子なんだろ)」
「美園結莉と申します。よろしくお願いします」
『平素よりお世話になります。
星凪出版 編集部の美園です。明日ですが、会議室は——……になります。直接、お越しください。
何卒よろしくお願いいたします。』
みその ゆり。
つうか、マジで……なんで名前知ってんだ。
⸝⸝꙳
俺と後輩、先輩デザイナーの三人。
向こうはハンサムくんと二人。
通された会議室は、白を基調とした長机が向かい合わせに並べられていた。ハンサムくんが俺の斜め前に腰掛ける。
「美園は電話対応中なので、後で来ます」と、説明された。腕時計を確認する。十時にはまだ早い。
「今日はお忙しいところ、ありがとうございます」
「いえ…」
ハンサムくんは抜かりない。さらりと礼を言って退けた。隣に座る先輩に肘を小突かれ「神崎くんが話し相手してよ」と、瞬きで合図される。
……ったく、この人は。
こめかみに触れるだけのキスをする。
不貞腐れてたはずが一瞬にして上機嫌になった。
「(チョロい)」すっと瞳を細める俺に「仕方ないなぁ」と、彼女は上目遣いに続ける。
「愛央くん、おっきい会社で働いてて、仕事デキるひとだもんね」
「まぁね。俺、凄いから」
「優秀な愛央くんが、だ〜〜いすき」
「ありがとねー」
心のこもってない感謝を口先だけで述べた。
帰宅して、もう一度シャワーを浴びたら、午前零時を回っていた。ベッドに足を投げて就寝する。
ふと、眠りの淵に落ちながら思った。
…………美園結莉。
あの日以降、何度か連絡を交わした。
ひとつ送れば、ふたつ、みっつと几帳面な文面で返ってくる。
今日も届いたメールを読みながら、所々に窺える気遣いに「ほんとに新卒か?」と、呟いたんだっけな。
「(今までのやり取りの感じだと、真面目って印象しかねぇな。真面目すぎて変に堅物じゃなかったらいいけど…どんな子なんだろ)」
「美園結莉と申します。よろしくお願いします」
『平素よりお世話になります。
星凪出版 編集部の美園です。明日ですが、会議室は——……になります。直接、お越しください。
何卒よろしくお願いいたします。』
みその ゆり。
つうか、マジで……なんで名前知ってんだ。
⸝⸝꙳
俺と後輩、先輩デザイナーの三人。
向こうはハンサムくんと二人。
通された会議室は、白を基調とした長机が向かい合わせに並べられていた。ハンサムくんが俺の斜め前に腰掛ける。
「美園は電話対応中なので、後で来ます」と、説明された。腕時計を確認する。十時にはまだ早い。
「今日はお忙しいところ、ありがとうございます」
「いえ…」
ハンサムくんは抜かりない。さらりと礼を言って退けた。隣に座る先輩に肘を小突かれ「神崎くんが話し相手してよ」と、瞬きで合図される。
……ったく、この人は。