自惚れ、アディクト
楽ちんワンピースからノースリーブの綺麗めワンピースに着替える。ミニショルダーにはお財布、ハンカチを入れて。ポニーテールに結んだ髪は解いてしまったので、ワンカールの内巻きに簡単ヘアセットを。メイクはそのまま。コーラルピンクのグロスをひと塗りした。
スマホに表示された時刻は十九時四十分。
いとちゃんから送られたURLを頼りに、電車に乗って、目的地へ向かう。
八月の夜は灼けるように熱が籠る。
生温い風が頬を撫でた。
「(わ、ぁ…素敵なお店…)」
一駅で到着した。目の前に聳え立つ建物の、高級感あるシックな外装に、心臓が跳ねた。
私だと場違いじゃ……ない?
「(いとちゃんが、ぎょーざ食べてたの、ほんとにココ?)」
半信半疑でLINEの内容を再読する。
URLに記載されてる住所と、確認しているマップの位置は同じ。指定されたお店であることは、間違いなくて。気後れしながらも、恐る恐る扉を開けた。
「結莉ちゃん〜〜!」
手を振るいとちゃんに、頬がだらしなく緩んで。
「あっ。いとちゃ…」
ん——…。
途中まで紡いだ言葉を咄嗟に引っ込めた。
いとちゃんの隣、カウンターの奥で座っていた男性の影に見覚えがあったからだ。
「(え………。神崎さん……?)」
足が床に縫いつけられたみたいに、動かなくなる。
神崎さんの無機質な瞳が見開く。揺れる私の視線とぶつかった。その衝撃で、チカチカと小さな星の欠片が舞う。
どうして、こんなところにいるの?
いとちゃんに振ろうとした右手を、すっと下げた。
「ごめんね、急に誘っちゃって」
「ウウン。会いたかったから、嬉しい」
「お兄ちゃんも一緒だけど…ほんと、偶然だから。たまたま」
不服そうに唇を尖らせるいとちゃん。いとちゃんの睨みは、神崎さんに向けられている。
「今日、仕事で会ってるんでしょ?」
「…………(ハイ。その通りでございます)」
「どーも」
ふ、と悪戯に笑う神崎さんが、軽く私に手を挙げた。口元にはアイコスを咥えている。
スマホに表示された時刻は十九時四十分。
いとちゃんから送られたURLを頼りに、電車に乗って、目的地へ向かう。
八月の夜は灼けるように熱が籠る。
生温い風が頬を撫でた。
「(わ、ぁ…素敵なお店…)」
一駅で到着した。目の前に聳え立つ建物の、高級感あるシックな外装に、心臓が跳ねた。
私だと場違いじゃ……ない?
「(いとちゃんが、ぎょーざ食べてたの、ほんとにココ?)」
半信半疑でLINEの内容を再読する。
URLに記載されてる住所と、確認しているマップの位置は同じ。指定されたお店であることは、間違いなくて。気後れしながらも、恐る恐る扉を開けた。
「結莉ちゃん〜〜!」
手を振るいとちゃんに、頬がだらしなく緩んで。
「あっ。いとちゃ…」
ん——…。
途中まで紡いだ言葉を咄嗟に引っ込めた。
いとちゃんの隣、カウンターの奥で座っていた男性の影に見覚えがあったからだ。
「(え………。神崎さん……?)」
足が床に縫いつけられたみたいに、動かなくなる。
神崎さんの無機質な瞳が見開く。揺れる私の視線とぶつかった。その衝撃で、チカチカと小さな星の欠片が舞う。
どうして、こんなところにいるの?
いとちゃんに振ろうとした右手を、すっと下げた。
「ごめんね、急に誘っちゃって」
「ウウン。会いたかったから、嬉しい」
「お兄ちゃんも一緒だけど…ほんと、偶然だから。たまたま」
不服そうに唇を尖らせるいとちゃん。いとちゃんの睨みは、神崎さんに向けられている。
「今日、仕事で会ってるんでしょ?」
「…………(ハイ。その通りでございます)」
「どーも」
ふ、と悪戯に笑う神崎さんが、軽く私に手を挙げた。口元にはアイコスを咥えている。