自惚れ、アディクト
いとちゃんは、神崎さんに呆れた様子で「相変わらずだなぁ」と、悪態をついて終わった。

「これから、結莉ちゃんと女子会するので“お兄ちゃん”は、入って来ないでくださ〜い」

と、まで付け足して。

「はいはい」

神崎さんが隣にいながらも、近況報告をしたり推しのライブの話で盛り上がったり。私たちの話題は、次から次へと移っていくの。そんな中でも恋バナは尽きることはない。

いとちゃんは先月からアプリを始めたようで、既に何人かとデートをしたとのこと。

「結莉ちゃんは?彼氏できた?」
「ウウン…」

ちなみに私は、いとちゃんに恋の相談をするようなコトがない。彼氏だって三ヶ月前に別れたきりで…片想いも恋探しもしてなくて。

トキメキも、ありません。

だって私は、大きな欠陥があるから。

「そっかぁ。……ア!わたしの元カレ遍歴と、アプリの話は漫画のネタにしていいよ〜〜。ふふ」

へらり、と口角を弛ませて笑ういとちゃんは、酔いが回っている。瞳をとろん、とさせて。アプリで出会った人が最悪だったなんて、愚痴を零しながらうつ伏せになった。

空になったグラスを、私はいとちゃんから避けた。

今日はもう、お開きかなぁ。

私もいとちゃんに負けず、三杯飲んで、ご飯もいっぱい食べて、なにより久しぶりに話せたことが楽しかった。

小さな寝息を立てるいとちゃんの頭を、神崎さんが撫でた。


「酔っ払い連れて帰るわ」

そう言って、いとちゃんに肩を回す。

「飲み足りないなら付き合うけど、どうする?」
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