自惚れ、アディクト
バレたか。

内心「べ」と、永遠に向かって舌を出す。


「つうか、カリンも結婚だってインスタで見た」

何気なく放った“カリン”は元カノのことで、俺にとっては痛くも痒くもない思い出の一つ。甘酸っぱい交際なんてしてなくて。別れを切り出したのも俺からだった。

要するに『付き合った子のひとり』だ。

永遠が眉を顰めた。

「はあ!?愛央ちんの元カノやろ?バレンタインのチョコが原因で別れた…インスタ繋がってたんかい」

「アイツが勝手にフォローしてきただけ。別に、相互じゃねぇし」

「はあ…」

繰り返す言葉は、溜め息混じり。
永遠は頬杖を深めて呆れている。

「サッカー部で独身なん、オレと愛央ちん、愁だけになったやん」

「俺は結婚願望ないから」

「そう言って、しれっと結婚するタイプやろ」

「どうだろ」


割と本気で結婚するつもりねぇけど。

一人と寄り添う恋愛は性に合わないし、ましてや家庭を築くなんて想像できない。

「(俺が結婚……ないな。自由に生きよ)」

——…ヴヴ

俺と永遠のスマホが同時に鳴った。
通知画面をタップすると、愁を入れた三人のグループラインにメッセージが届いていた。

《来年、東京戻ることになった》

出向で二年、福岡に滞在している愁から。

《おかえり》と、俺が送る。それから永遠が《帰って来たら会おう》と、続ける。愁も昼休憩中なのか既読がすぐにつく。

《おー、久しぶりに会いたい》
《んで、》

愁のメッセージが一度、途切れた。
また、吹き出しが浮かぶ。

《二人に報告があるんだけど今、婚約してる》

「え…!?」

声を張ったのは永遠だ。

《東京戻ったら籍入れます》


「お〜〜愁も結婚すんだ」

「マジかいな。彼女おったもんなぁ」

「ついに腹決めたってわけか」
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