自惚れ、アディクト
なに?と、怪訝に思った。

「(俺の知り合いか?)」

勘繰り思考を巡らせて、永遠を追いかけるように同じ方向に目をやる。

——……と、見覚えのあるフリルワンピースが視界を奪った。

大人しめの小花柄が散りばめられた、淡いピンク色。胸元のボタンが少し開いて、細いリボン結びをされている。

視線の先には、美園さんがいた。


「あ……」

「……あ(エッ!?なんで神崎さんがココに!?帰ったんじゃなかったの……?)」


入り口付近にいる美園さんは、呆気に取られ、ぽかんとかわいらしく口を開いている。「愛央ちん?」永遠に話しかけられて。俺は、意識を美園さんからそらした。

「知ってる子なん?」と、尋ねる。「まあ」と、曖昧な返答をしたが、永遠は腑に落ちてないようだ。


「もしかして、セフレじゃないやろーな」
「昼間からする会話かよ」
「ごめんて」

永遠が眉根を垂らした。そうしてるうちに、美園さんが俺たちの元に歩いて来る。少し高いヒールが、やけに綺麗な音を鳴らして。


「お疲れ様です」

へぇ、こんなとこでも“真面目ちゃん”なんだ。

「お疲れ」

美園さんは永遠へ会釈する。

「みゆりんの知り合い?」

と、彼女の後ろからラフな格好をした女性が顔を覗かせた。金髪のショートヘアの毛先が頬の横で揺れている。

「(みゆりん…?って、美園さんのことか)」

「いつもお世話になってるデザイン会社の神崎さんです」

「ああ…!花菱からいつも聞いてます。お世話になります」

「私の先輩です」

美園さんの口元が綻んだ。

「いえ、こちらこそお世話になります」と、こちらも続く。互いの挨拶は手短に、美園さんの先輩は「先、座っとくね」と、店員に案内された奥のテーブル席へ行った。
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