自惚れ、アディクト
⸝⸝꙳
「煙草ちょーだい」
情事を終えたベッドの中、咥えたアイコスが、するりと俺の口から逃げた。煙草は、セフレの口元へ奪われる。
「吸ってたっけ?」
「ううん〜。愛央くんの真似したかったの」
ねえ、わたしってかわいいでしょ?
と、言わんばかりの上目遣いで小首を傾げた。
「ふうん」
相槌だけ打つと「やっぱ苦いからいらない」なんて、表情を歪めて押し返された。受け取った俺は、気分が削がれて電源を切る。
「よく、こんな味の吸えるね〜。喉が気持ち悪い…」
抱きついてきた後頭部を撫でた。
「無理に吸うからだろ。やめときな?」
溜め息混じりに投げた。アーモンドアイが、じ…と、俺を凝視した。もう一度、セフレの柔らかなボブヘアに触れる。
「…………」
「愛央くん、今日どうしたの?いつもと違って元気ないねぇ」
「べつに」
「あんまり連絡くれないし、エッチしてるときも冷たかったなぁ」
勝手に勘繰られて、不貞腐れた。
まただ。“わたしってかわいいでしょ”のポーズ。
両頬を膨らませて訴えてくるやつ。
「ハイハイ。ごめんね」
「ほら、そう言うところ。謝り方が雑〜〜」
「…………」
「せっかくコスプレ着たのに」
「もう、脱いじゃってるけど」と、続けて愚痴っぽく零された。……だる。
「かわいい、かわいい」
「褒め方も雑〜〜」
「俺、前からこんなだよ」
「そうだっけ」
マスカラをたっぷり塗った密度の濃い睫毛が上向きになる。
「本命の子でもできちゃった?」
心が一瞬、揺らいだ。
あの子の影が落とされる。いとに散々、釘を刺されたのに、なんで今、出てくるんだよ。
黙る隙にセフレの顔が近づき、キスをせがまれて咄嗟にそらした。
「ん゛……。素っ気な…(せっかくの本命チャンスだったのに〜〜)」
「もう帰っていいよ」
「……え?……っ、ほんっとあり得ない」
「煙草ちょーだい」
情事を終えたベッドの中、咥えたアイコスが、するりと俺の口から逃げた。煙草は、セフレの口元へ奪われる。
「吸ってたっけ?」
「ううん〜。愛央くんの真似したかったの」
ねえ、わたしってかわいいでしょ?
と、言わんばかりの上目遣いで小首を傾げた。
「ふうん」
相槌だけ打つと「やっぱ苦いからいらない」なんて、表情を歪めて押し返された。受け取った俺は、気分が削がれて電源を切る。
「よく、こんな味の吸えるね〜。喉が気持ち悪い…」
抱きついてきた後頭部を撫でた。
「無理に吸うからだろ。やめときな?」
溜め息混じりに投げた。アーモンドアイが、じ…と、俺を凝視した。もう一度、セフレの柔らかなボブヘアに触れる。
「…………」
「愛央くん、今日どうしたの?いつもと違って元気ないねぇ」
「べつに」
「あんまり連絡くれないし、エッチしてるときも冷たかったなぁ」
勝手に勘繰られて、不貞腐れた。
まただ。“わたしってかわいいでしょ”のポーズ。
両頬を膨らませて訴えてくるやつ。
「ハイハイ。ごめんね」
「ほら、そう言うところ。謝り方が雑〜〜」
「…………」
「せっかくコスプレ着たのに」
「もう、脱いじゃってるけど」と、続けて愚痴っぽく零された。……だる。
「かわいい、かわいい」
「褒め方も雑〜〜」
「俺、前からこんなだよ」
「そうだっけ」
マスカラをたっぷり塗った密度の濃い睫毛が上向きになる。
「本命の子でもできちゃった?」
心が一瞬、揺らいだ。
あの子の影が落とされる。いとに散々、釘を刺されたのに、なんで今、出てくるんだよ。
黙る隙にセフレの顔が近づき、キスをせがまれて咄嗟にそらした。
「ん゛……。素っ気な…(せっかくの本命チャンスだったのに〜〜)」
「もう帰っていいよ」
「……え?……っ、ほんっとあり得ない」