自惚れ、アディクト
⸝⸝꙳

「とりあえず、好きなの飲みな」

待ち合わせは、互いの会社の中間地点にあるイタリアンバー。カウンターに座り、美園さんへメニュー表をひらりと渡す。


「神崎さんは…?」

そう、遠慮がちに尋ねる彼女の目元は、薄ら赤みを帯びている。やっぱ、泣いてたのか。

「白グラス」

平常を装って答えた。

「(おとなだ)」

「甘いのもあるんじゃない」

「同じのにします」

「へぇ」

「私も、大人なので飲めます」

「そ」

美園さんに近寄ると、細い肩が跳ねた。
揺蕩う視線が俺に焦点を定める。

「生ハムとシャインマスカットのカプレーゼも」

「……っ!」

「食べてい?」

「いいと、思います」


一通り注文をした。
スマホの着信音が何度か響くが、だいたいの検討はついてるので無視をする。美園さんがお冷を一口飲んで、心配そうに俺を覗いた。暖色の照明の元、色白の肌が透き通って見える。
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