自惚れ、アディクト
二ヶ月目にして別れを迎えた。


「愛央と付き合うのしんどい」

「………は?」

放課後のスタバ。
茉莉花(まりか)が飲みたいと言ったなんちゃらフラペチーノを口にした瞬間、告げられた。

テス勉、ウチでする?と呑気に俺が話してるのを遮ったのだ。甘ったるいフラペチーノから口を離して茉莉花を一瞥した。

「なに、急に」


硬い椅子に背凭れる。茉莉花の視線が下がった。

あー……これはアレだな。


「(別れ話?)」

俺は緩く視線を滑らせ、茉莉花を覗き込む。お揃いにしたスタッドピアスが、肩口で切った茉莉花のボブの隙間で煌めく。

「この間、3組の子たちとカラオケ行ったんでしょ」
「まあ、そうだけど」

「サッカー部の子たちから聞いたの」

「…………」

「マネも来てたって。……柚乃(ゆの)ちゃんも……あのこ、元カノだし…っ。まだ、愛央のこと好きなんだよ」

クリームたっぷりのグラスを手にした。溶けかけたフラペチーノを啜る。くっそ甘。ブレべミルクにしたの失敗だったわ。

「浮気してないよね?」

「なんで、そうなるんだよ。意味わかんねぇんだけど」

「だって今日、言ってたもん。柚乃ちゃんがあの日、愛央と遊んで帰ったって!」

「…………」


内心、小さく首を傾げる。

やべぇ。………思い当たることがない。
俺の記憶だとカラオケの後、永遠の家でゲームしてた。柚乃のやつ、話盛ってんだろ。

「はあ」と、短い息を吐いた。


「茉莉花はアイツの言ってること信じんの?」


茉莉花の色白の肌が、じわりと赤らんだ。
< 8 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop