思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「怪我は、ないわね?」
「うん」
胸元に大人しく抱かれている幼子が、こくんと頷く。
リベルラが子どもの肩を掴み、さりげなくヴァドリックから距離を取ろうと試みた直後、事件が起こる。
目を合わせた少女が満面の笑みを浮かべ、こちらが思いもしない単語を口にしたのだ。
「捕まえた!」
元気いっぱいに声を発する姿は、先程まで命の危機に瀕していたとは到底思えぬほど、この場に不釣り合いだ。
(何かが、おかしいわ……)
頭の中で、警報音がけたたましく鳴り響いている。
早く逃げなければいけないとわかっていたのに、あまりにも衝撃的な状況すぎて、理解をするまで時間がかかってしまった。
「お兄ちゃん! わたし、やったよ!」
少女はこちらの困惑を諸共せず、己の後方にいる誰かを見上げて歓喜の声を上げる。
足が竦んで動けぬこちらが、それを誰か確認するよりも早く、リベルラは後ろから羽交い締めにされてしまう。
己に許可なく触れる権利を得ているのはこの世でたった1人だけだ。
リベルラは夫の名を呼ぶため、唇を震わせた。
「うん」
胸元に大人しく抱かれている幼子が、こくんと頷く。
リベルラが子どもの肩を掴み、さりげなくヴァドリックから距離を取ろうと試みた直後、事件が起こる。
目を合わせた少女が満面の笑みを浮かべ、こちらが思いもしない単語を口にしたのだ。
「捕まえた!」
元気いっぱいに声を発する姿は、先程まで命の危機に瀕していたとは到底思えぬほど、この場に不釣り合いだ。
(何かが、おかしいわ……)
頭の中で、警報音がけたたましく鳴り響いている。
早く逃げなければいけないとわかっていたのに、あまりにも衝撃的な状況すぎて、理解をするまで時間がかかってしまった。
「お兄ちゃん! わたし、やったよ!」
少女はこちらの困惑を諸共せず、己の後方にいる誰かを見上げて歓喜の声を上げる。
足が竦んで動けぬこちらが、それを誰か確認するよりも早く、リベルラは後ろから羽交い締めにされてしまう。
己に許可なく触れる権利を得ているのはこの世でたった1人だけだ。
リベルラは夫の名を呼ぶため、唇を震わせた。