思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 パネルがゆっくりと回転し、隠し通路に繋がる穴が出現した。
 リベルラは手慣れた様子で真っ暗闇の中へ足を踏み入れ、扉を閉めた。

(訪問者と会話を終えたクロドノルン卿は私がいないと知って、また自分を責めるかもしれないわね……)

 彼はどんな時でも気を抜かず、主の気配を確認するべきだった。
 生真面目に来客対応をしていたせいで問題が起きたと学習すれば、二度とこの手は使えない。

(たった一度だけでも、構わないわ。今は彼が私に反旗を翻していないか確認するのが、最重要ですもの……)

 リベルラは真っ暗な闇の中を迷いのない動作で突き進み、執務室へと足を運んだ。

(暖炉の火は、ついていないようね……)

 通路に繋がるパネルを少しずらし、身を乗り出して異常がないのを確認する。
 その後、そこから執務室の椅子に座る夫の様子を観察し始めた。
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