思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「モルデント伯爵令息の様子は?」
「今のところ、不審な動きはありません」
「そうかい。孤児たちに命じて、見張っているように命じとけ」
「し、従ってくださるでしょうか……?」
「なんとかなんだろ。最悪、俺が会いに行くか、こっちに来てもらう」

 彼は引っ込み思案な宰相とともに会話を続けながら、溜まりに溜まった事務作業を自分の代わりに処理していた。
 それらすべてに適切な指示を出す姿は、こちらが夫を疑っていたのが恥ずかしくなるほど様になっている。

(クロドノルン卿に心労を与えてまで、自分の目で確かめる必要はなかったかも知れないわね……)

 ガルドラを疑う必要がないとわかれば、ここに長居をする必要がない。
 リベルラが来た道を戻ろうとすれば、2人はこちらが「このまま立ち去るのは惜しい」と思うような話題に移行する。
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