思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「ん、んぅ……っ」

 触れるだけですぐに離れるだけのキスかと思ったのだが、どうやら今回は違うらしい。
 口の中を隅々まで味わい尽くし、舌先を絡め合う、濃密な接吻だ。

(息が、苦しい……っ。頭がくらくらして、どうにかなってしまいそう……)

 リベルラはあっという間に抵抗する気力を奪われ、唇が離された頃にはすっかりと骨抜きになっていた。
 力なく彼の胸元に抱かれていると、この状況が面白くて仕方ないと言わんばかりに、耳元で囁かれる。

「もう、降参か?」
「あ、あなたが、悪いんじゃない……!」
「早すぎだろ。まぁ、悪い気はしねぇがな……」

 彼は苛立ちを隠しきれない様子で憤慨する妻の頭部を優しく撫でつけたあと、執務室に併設された仮眠室へと移動する。

(ここで、するのかしら……?)

 寝室に比べると、そこは随分と簡素な作りだ。
 シングルベッドが1つ置いてあるだけで、2人が横たわるにはかなり密着しないと横幅が足りない。
 リベルラは不思議そうにガルドラを見つめ、彼の様子を窺う。
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