思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 今まで好きだった人とは、あまりにもタイプが違う。
 ともに歩んできた時間、思い出、身分。
 何もかもが違う相手を愛せる自信など、自分にはない。
 だが――。

(彼を知る前から、見た目や生まれで判断しては駄目よね……)

 愛のない結婚を生涯続けるのだけは、絶対に嫌だった。

(彼を好きになる努力をすれば、いつかは愛が芽生えるかもしれないわ……)

 リベルラはまだ、21歳だ。
 これまで幼馴染と一緒に過ごしてきた時よりも、長生きさえできれば夫婦で暮らす時のほうが長くなる。
 ならば、少しでも早く夫の人となりを知り、好きになる努力をするべきだ。

「あなた、名前は?」
「おっ。やっと、俺に興味を持ってくれたか」

 こちらの探るような視線に応え、彼は満面の笑みを浮かべて身を乗り出す。
 そして、堂々と胸を張って名乗った。
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