思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
(やっぱり、俺と兄貴の関係性は知らねぇ状態で来てるじゃねぇか。心配して、損したぜ)

 ガルドラはほっと一息つきつつ、どう返答するか頭を悩ませる。

(頼まれなくたって、そのつもりだったが……)

 2つ返事で了承しては、彼女の真意が闇の中に紛れてしまう。
 少年はわざと嫌そうな表情をして、姫の口から発言の意図を引き出そうと試みる。

「俺に一体、なんのメリットがあるってんだよ」
「お願い」

 しかし、リベルラはうるうると瞳を潤ませるだけで、詳細を語ろうとはしなかった。

(姫様を泣かせたなんて知られたら、どんな罰を受けることになるんだか……)

 リベルラの密告により己の身を案じたガルドラは渋々、彼女の懇願を受け入れた。

「仕方ねぇなぁ」
「約束よ!」

 姫は満面の笑みを浮かべると、くるりくるりと軽やかなステップを踏みながら遠ざかる。
 ガルドラは、慌てた様子で声を荒らげた。

「馬鹿! 1人で、ふらふらすんな!」
「怒らなくたって、いいじゃない」
「また、危ない目に遭いてぇのか!?」
「あなたって、意外と面倒見がいいのね?」

 彼女はくすりと、心底おかしくて堪らないと言わんばかりに微笑む。
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