思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「お待ちしておりました、ガルドラ様」
「あー。クロドノルン公爵家の、ヴァドリックを呼んでくれ」
「騎士団長、ですか?」
「おう。そいつと一緒じゃなきゃ、陛下への謁見はなしだ」
「はい!?」

 出迎えてくれた騎士が、ただの誘導役だと言うのはよくわかっていた。
 それでも絶対に譲れない条件を出したのは、己の身を守るためだ。

(お前はここで死ね、とか……。人思いに殺してくれ、なんて、王様に言われちゃ堪んねぇかんな……)

 ガルドラは上質なタイルの上へ座り込み、あくびをしながら騎士団長の到着を静かに待ち続けた。

「何をやっているんだ」
「よぉ。いきなり呼び出して、悪いな?」

 息を切らしてやってきたのは、自分とは目と髪の色が真逆のカラーリングをしている、2歳違いの異母兄弟。
 クロドノルン公爵家の嫡男、ヴァドリックだった。

「質問に答えろ」
「王様に呼ばれてさ。さすがに、サシで会うのは無理だろ? 色んな意味で」

 異母兄は露骨に嫌そうな顔をしていたが、渋々無言で歩き出す。
 どうやら名前も知らぬ騎士に変わって、陛下の元へ案内してくれるらしい。
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