思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 廊下側のドア前には有事に備え、四六時中警備の人間が監視をしていた。

(ガルドラは野良犬の自分が、こんなに仰々しい扱いを受けるべきではないと、思っているのね……)

 このまま夫と離れ離れになるなんて、冗談じゃない。
 リベルラは彼の勘違いを正すため、しっかりと目を見て宣言した。

「私のために身を引こうとしているのなら、止めて」
「別に、そんなんじゃ……」
「私があなたを忘れ、リガルドへ淡い恋心を抱いていたのが気に食わないのなら……。この身に、罰を与えなさい」
「いくら陛下の命令でも、従うわけにはいかねぇな」

 夫は左右に首を振ると、どこか諦めたように口元だけを綻ばせた。

「俺はあんたを、傷つけたくねぇんだ」

 彼が無理をしているのは明らかなのに、リガルドが好きだった過去を持っているせいで、「心の底からあなたが好きだった」と言えない自分が悔しくて仕方がない。
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