思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「ガルドラを見る目が、変わりましたね」

 リガルドと出会うよりも先に、ガルドラと結婚の約束をしていたと知ったせいだろう。
 どうやら自分は、夫に対する態度が目に見えて変化しているらしい。
 普段は無口で雑談など一切しようとも思わない護衛騎士が指摘してくるのであれば、よっぽど目に余るような状況だと考えるべきだ。
 リベルラは紫色の瞳を気まずそうに反らしながら、言葉を選んで相談する。

「今まで通りのほうが、よかったかしら……?」
「いえ。今のほうが喜ばれるかと」
「そうよね!」

 ヴァドリックから太鼓判を押され、リベルラはぱっと表情を明るくした。
 今のところ、リガルドに怪しい動きはない。

(このまま何事もなく幸せな日々が過ぎて行けば、どんなにいいことか――)

 どれほどリベルラが願ったところで、幼馴染がガルドラに向ける憎悪が薄れることはない。
 リガルドの目的は、夫を始末し己の伴侶となることなのだから。

「安心しました」
「夫婦円満になったから?」
「はい。前国王も、お2人の幸せを願っていましたので……」
「……そう、ね」

 余所見をしていた時間は、取り戻せない。
< 194 / 241 >

この作品をシェア

pagetop