思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
 準決勝まで勝ち上がってきた男性4人のうち、今まで彼の輝かしい功績どころか、名前すらも聞いた覚えのない人物が1人だけいた。

 それが、先ほどリガルドを負かした相手――ガルドラだ。
 家名を名乗らない辺り、恐らく平民なのだろう。

 決勝戦出場を確実視されていた王立騎士団の団長、クロドノルン公爵家のヴァドリックをたった数秒で瞬殺し、ここまで勝ち上がってきた。

『僕がどこの馬の骨か分からぬ男に、負けるわけがないだろう?』

 幼馴染は決闘が始まる前、こんなふうに余裕綽々な様子で口元を綻ばせていた。
 そんな彼の姿を思い出し、歯を食いしばる。

 彼は、女王の護衛騎士だ。
 戦場では、少しの油断が命取りになるとわかっていたはずなのに――。

『心配しないで。僕よりも強い男は、この国にはいないさ』

 リガルドは「自分が負けるはずない」と思い込み、ガルドラの実力を見誤った。
 その結果、とんだ大番狂わせが起きてしまった。

(あなたを愛しているからこそ、勝ってほしかったのに……)

 過去に想いを馳せ終えた直後、リベルラは再び見たくない現実と向き合う羽目になった。
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