思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「そう……。あなたの事情を知らぬまま、強引に騎士団長を解任させてしまって、申し訳なかったわね。婚約者さんも、不安で堪らなかったでしょう」
「今度は俺たちが、兄貴に恩を返すべきだよなぁ?」
「ええ。私たちにできることがあるなら、なんでも言って頂戴。協力するわ」

 彼は弟に対して何か言いたげな視線を向けていたが、言葉にならずに消えていく。
 主とその夫がやる気を見せたならば、自分には拒否権がないと悟ったからだろう。

(少し、強引だったかしら……?)

 リベルラは小首を傾げたあと、ひらひらとこちらに手を振る夫の姿をじっと見つめた。
 いくら異母兄と言えども、長時間自分以外の異性を妻が見つめている姿を観察し続けるのが、つらかったようだ。

 妻と視線を交わらせたあと、満足そうに微笑んでいるのが印象的だった。
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