思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「あなたがクロドノルン公爵家の血を引いていると、世間に向けて公表するつもりはあるかしら」
「今のところは、ねぇな。子どもが生まれて、パッシングを受ける場合は、考える」
「ヴァドリック卿。あなたの意見も、聞かせてほしいわ」
「弟は一度、我が公爵家から追放された身です。私が爵位を継ぐまでは、黙っているほうがよろしいかと」
「まだ、そんなことを言ってんのか……」

 兄の主張を聞いていた異母弟は、納得がいかない様子でボソリと呟く。
 ガルドラはクロドノルン公爵家に対して、あまりいい感情をいだいていないのだろう。
 今更家名を名乗るつもりなければ、お家騒動や貴族たちの思惑に巻き込まれたくないと言うのが、本音のようだ。

「私は、本人の意思を尊重するわ」
「さすが、リベルラ!」
「異論はありません」

 無理強いしたって、仕方ない。
 全員の意見が一致したのであれば、これ以上の対話は時間の無駄だ。

(公爵家の話は、これで片づきそうね。あとは……)

 リベルラは次の話題へ移るべく、声を発した。
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