思ってたのと違う! 女王は最愛の騎士ではなく、狂犬と結婚を強要される
「いいの? あなたは、疑われているのよ?」
「警戒心がないよりは、マシだろ」

 彼はこの状況すらも、楽しんでいるようだ。
 どこか呆れたように肩を落としたあと、なんてことのないように口元だけを綻ばせた。

「俺は調べられて困る過去なんざ、ねぇからな。好きなだけ、身辺調査でもなんでもすりゃあいいさ」
「どうせなら、徹底的にやるわよ」
「悪い噂に引っ張られて、自分にとっての都合がいい俺を作り出さないように願っているぜ」

 彼はこちらが1から10までを説明しなくても、自覚しているようだ。
 己が想い合う幼馴染達を引き裂いた、諸悪の根源なのだと。

 だが――。

 ガルドラは、2人を結びつける当て馬になるつもりはない。
 このままリベルラの王配となり、相思相愛の夫婦生活を営みたがっているらしい。

(彼の目論見に、異論はないわ。でも……)

 先ほどの発言は、侮辱されているとしか思えなかった。
 リベルラは辛抱堪らず、反論した。

「私は周りの意見になど、惑わされないわ!」

 胸の奥底で燻るリガルドへの想いに蓋をしたのは、「約束破りの女王」と汚名を着せられないためだ。
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